2011年7月10日日曜日

流山市に真摯さはあるのか? (2)

暑さにくわえて、最近仕事がタイトでお疲れ気味のだったのですが、やっと仕事のペースが落ち着いて余裕がでそうなので久々にブログ書いてみます。

とりあえず、先のエントリー(see http://nagareyama-chem.blogspot.com/2011/06/blog-post_19.html)で書いた流山市への再質問に対する回答が(けっこう前に)届いたのでメモしてみます。

Question 1
国は(暫定)規制値を設定する上で、当然、許容被曝量を設定しているはず(そうでなければ、安全な基準値は設定できません)。各自治体に対して、国からの指導が当然あってしかるべきである。成人、幼児、乳児の(年間)許容被曝量が国からどのように指導されているか教えて欲しい。

Answer 1
国からの許容被曝量の指導については把握していない。

把握してないって意味分かんないんですけど。指導されてないの?単にあなたの部署が無関心というか怠慢で情報収集してないってこと?



Question 2
「暫定規制値上限一杯の食材を給食で摂取した場合の内部被曝量」については、当然モデルを設定しているはず。モデルの想定被曝量を教えて欲しい。

Answer 2
モデルは設定していない。抽出したある日の給食の献立(ご飯、牛乳、エコふりかけ、豆腐ステーキのおろしソースかけ、野菜汁)の場合の試算では、放射性ヨウ素は257.1 Bq, 放射性セシウムは221.2 Bq。

ちなみに放射性ヨウ素とセシウムが基準値マックスで上記メニューの給食を食べると、その被曝量は↓
放射性ヨウ素で
131Iの実効線量/ 257.1×7.5×10-2 = 19.3 μSv
131Iの甲状腺等価線量/ 19.3×20 = 386 μSv


一方、放射性Csの場合、代表核種に対する放射性Cs, Srの存在比をざっくり
89Sr : 90Sr : 134Cs : 137Cs = 0.28732 : 0.04555 : 0.54455 : 0.45545とし、幼児に対する実効線量換算係数をそれぞれ、8.9×10-6 mSv/Bq, 4.7×10-5 mSv/Bq, 1.3×10-5 mSv/Bq, 9.7×10-6 mSv/Bqとすると、


89Sr/ 221.2×0.28732×8.9×10-3 = 0.57 μSv
90Sr/ 221.2×0.04555×4.7×10-2 = 0.47 μSv
134Cs/ 221.2×0.54455×1.3×10-2 = 1.57 μSv
137Cs/ 221.2×0.45545×9.7×10-3 = 0.98 μSv
total 3.58 μSv

要は、教育委員会は学校給食1食あたり、
131Iで実効線量/ 19.3 μSv (甲状腺等価線量/  386 μSv)
放射性Csで実効線量/ 3.58 μSv
の内部被曝を許容しているってことですね

年間何日給食がでるのかよく分かんないけど、基準値超えの食材が市場から完全に排除されていて、131Iの影響が軽微であると仮定し、流通過程で汚染が半分くらいに希釈されるとすると、給食による内部被曝は超ざっくり< 0.5 mSv/Yearって感じでしょうか?

2011年6月19日日曜日

流山市に真摯さはあるのか?

再び新たな質問を流山市にしてみました↓

Question 1
学校給食による内部被曝の許容量を何mSv/yearと考えているか?
Answer 1
学校給食に起因する内部被曝の許容量については設けていない

Qusestion 2
暫定規制値上限一杯の食材を給食で摂取した場合の内部被曝量はどれくらいか?
Answer 2
学校給食は各学校で献立が異なるため、使用する食材の種類や使用量も異なります。このため、一律に内部被爆量を算出することはできない。

感想
ほんとにやる気無いな、市は。自分たちが地方自治の当事者だっていう意識が全く感じられませんよ。ことなかれ主義ってやつですか?

とりあえず、再質問の刑です↓

New Question 1
国は(暫定)規制値を設定する上で、当然、許容被曝量を設定しているはず(そうでなければ、安全な基準値は設定できません)。各自治体に対して、国からの指導が当然あってしかるべきである。成人、幼児、乳児の(年間)許容被曝量が国からどのように指導されているか教えて欲しい。

New Question 2
「暫定規制値上限一杯の食材を給食で摂取した場合の内部被曝量」については、当然モデルを設定しているはず。モデルの想定被曝量を教えて欲しい。

納得いくまで、いつまでも質問するよ

2011年6月18日土曜日

千葉県のポリシー

なんか、ボクの質問に対して、(3週間かかって)千葉県(健康福祉部健康福祉政策課)から回答が返ってきました。

ボクの問いはこれ↓

Question
(1) 国が設定している暫定規制値上限の食材を摂取した場合の内部被曝量が何mSv/yearになるか教えてください。
(2) 県として、放射能汚染食材摂取によって何mSv/yearの内部被曝なら許容できると考えているか教えてください。
(3) 90Srによる子供の内部被曝についてその影響をどのように評価していますか?
ref. http://p.tl/rwfF

で、千葉県の
Answer
内部被曝による影響については、県独自の指標等は持っていない。暫定規制値を超える食品を流通させない対策を講じるとともに、引き続き県民への情報提供に努める。
<参考>
平成23年3月、食品安全委員会で行われた、「放射性物質に関する緊急とりまとめ」において、原子力安全委員会が示した指標値の考え方は、飲食物中の放射性物質が健康に悪影響を及ぼすか否かを示す濃度基準ではなく、緊急事態における防護対策の一つとして、飲食物摂取制限措置を導入する際の目安とする値であり、指標算出にあたっては、回避線量(防護措置を実施することによって免れる線量)がそれ以上なら防護対策を導入すべきかを判断する線量として実効線量5mSv/年を基にするとともに、我が国の食生活等実態を考慮して設けられている。

だってさ。なんかよく分かんないけど、こういうことですか↓

(1) 国が設定している暫定規制値上限の食材を摂取した場合の内部被曝量が何mSv/yearになるか教えてください。
無視

(2) 県として、放射能汚染食材摂取によって何mSv/yearの内部被曝なら許容できると考えているか教えてください。
「暫定規制値を超える食品を流通させない対策を講じるとともに、引き続き県民への情報提供に努める」ってことだから、実効線量でトータル17mSv/yearまで許容します。甲状腺等価線量は50 mSvまでオッケー。

(3) 90Srによる子供の内部被曝についてその影響をどのように評価していますか?
無関心

千葉県って不誠実な確信犯か、言語把握能力が著しく欠如した職員を雇い続ける鷹揚な組織だってことがよーく分かりました。

あと、余談だけど、千葉と茨城では採用している131Iの実効線量計数(経口摂取)が違うんだよね。


←このQ&Aから逆算すると、千葉は2.2×10-5 mSv/Bqを採用しているのに対して、茨城は1.6×10-5 mSv/Bq (成人) (see http://p.tl/jTXC)を使っています。

ってことは、放射性物質の安全管理に対する指導って国からされてないんですかね?普段は中央の意向を浸透させようと躍起なくせに、めんどくさそうなことについては、なるべくひっそりとってことですか。

あと千葉県のQ&Aで、「しゅんぎくを1Kg食べた場合の人体への影響は0.0946ミリシ-ベルトとなり、これは胃のエックス線集団検診(1回)を受診した場合の放射線の人体への影響(約0.6ミリシーベルト)の約6分の1であり...」なんて書いてあるけど、ヨウ素は甲状腺に溜り易く、甲状腺等価線量が実効線量のざっくり20倍とすると、甲状腺等価線量はca. 1.9 mSvで、X線の検査より危険だと素人のボクは思うんですけど、どうなんですかね?

2011年6月16日木曜日

千葉県の沈黙

半月以上前に、専用フォームから、あの「青春の巨匠の演技」が得意な知事が治める千葉県に質問してみました↓

Question
(1) 国が設定している暫定規制値上限の食材を摂取した場合の内部被曝量が何mSv/yearになるか教えてください。
(2) 県として、放射能汚染食材摂取によって何mSv/yearの内部被曝なら許容できると考えているか教えてください。
(3) 90Srによる子供の内部被曝についてその影響をどのように評価していますか?

で、

Answer
放置プレイ

全く音沙汰ありませんから。茨城県は(一応)まともに対応してくれてるっていうのに残念です。まあ、「青春の巨匠の演技」が専門の知事にはその辺りのリテラシーがないんでしょうかね 爽やかフェイスと菅直人ばりの食事パフォーマンスしか取り柄が無いのかって感じてしまうのはボクだけでしょうか?あと、千葉県には「県庁の星」もいないのかな?

それから、最近になって(プチ?)ホットスポットと噂される東葛地域の空間線量を公表しだしたけど、だからなに?って感じですよ。だって千葉県が示す解は、「各地の放射線量は、文部科学省が示している校舎・校庭等の利用判断における暫定的な目安(1時間あたり3.8マイクロシーベルト)、さらには、放射線量低減策を実施する場合の指標(1時間あたり1マイクロシーベルト)を下回りました。」=「何もしません」っていう分かりきったものだから。

あ、あと、分かってると思うけど公的セクターがやってる外部被曝量の計算ってこうだから↓
a) 屋外で8時間、家屋で16時間過ごす
b) 木造家屋の遮蔽係数0.4(コンクリはもっと遮蔽される)

よって、暫定的な目安が3.8μSv/hっていうのは、(3.8μSv/h×8 h+3.8μSv×0.4×16 h)×365 days =19,972.8μSv/year =ca. 20 mSv/yearっていうこと。

とりあえず、鈴木栄治サンにはナニモキタイシテナイボクガイタ。

2011年6月13日月曜日

放射能の真実 4

原発事故から約3ヶ月。なので、2ヶ月以上前のトピックスについてあれこれ言うのは機を逸している感もあるけど、折角なのでメモしてみます。

←懸案事項は茨城県が3月25日付けで公開した「野菜20gを1年間食べ続けた場合の放射線量」というチラシ。

で、このチラシの左下の方に「ホウレンソウ、パセリを除く、17品目を毎日20 gずつ1年間食べ続けた場合の放射線量 0.48 ミリシーベルト」って書いてあるんだけど(これには放射性Cs由来の被曝量は含まれてない)、ボクの国語力の欠如から、

Question 放射能汚染野菜の1日当たりの摂取量を20gとして放射線量を計算しているのはどうしてですか?(厚生労働省では、健康を維持するために必要な野菜の摂取目標量を成人1日当たり350g以上としている)

ってメールしたら(5/2に)、(5/30になってやっと)

Answer
17品目×20g=340g/日での計算となります。
(参考)平成20年度の国民栄養調査による日本人の1日当たり平均摂取量295g

っていう回答が返ってきました。ニラとか毎日20g摂取するのってとんでもなくハードル高くないか?とかツッコミどころはたくさんあるんですが、ボクが計算した被曝量とチラシ(パンフレット)に記載されている数値がどうしてもあわなかったので(多分、使用した換算係数の出所が違う)、計算式を教えてくれっていうメールを再度送ったら、


原子力安全委員会が平成20年3月に発行した環境放射線モニタリング指針の45頁に記載されている「131Iを成人が経口摂取した場合の実効線量係数 1.6×10-5 mSv/Bq」

を使ってるっていうことが分かりました。

ちなみにボクは、3月25日に開催された食品安全委員会の会議資料の数値(なぜか原子力安全委員会が平成10年に作成)とか、これを使ってました。

ちなにみ、放射性ヨウ素の影響は、年齢が低くなればなるほどリスクは圧倒的に高くなります。前述した環境放射線モニタリング指針によるとこんな感じです↓(まあ、摂取量は成人に比べれば少ないでしょうが)

131Iの実効線量計数 (経口摂取)
成人/ 1.6×10-5 mSv/Bq
幼児/ 7.5×10-5 mSv/Bq
乳児/ 1.4×10-4 mSv/Bq

あと、ヨウ素は甲状腺に集まりやすいと言われているので、甲状腺等価線量換算係数もチェックすべきでしょう↓

131Iの甲状腺等価線量に係る線量係数 (経口摂取)
成人/ 3.2×10-4 mSv/Bq
幼児/ 1.5×10-3 mSv/Bq
乳児/ 2.8×10-3 mSv/Bq

(この資料だと、実効線量の20倍が甲状腺等価線量に相当ですね)


地上の食材に関しては、とりあえずは、放射性ヨウ素に係る懸念は大分薄らいだかもしれないけど、5月下旬にヒジキから高濃度の放射性ヨウ素が検出されてるから、海洋汚染についてはまだまだ予断を許さない状況は続いてるんだろうなって思います。

2011年5月30日月曜日

放射能の真実 3

昨日、「放射能の真実 2」っていう楽観的なエントリーを書いたけど、これって設定されている係数(想定)が正しいことが前提です。

しかも、このモデルは放射性物質の減衰が考慮されているので、半減期の短い131Iの規制値いっぱいいっぱいの食材ばかりを摂取してたら設定された許容被曝量をあっという間にオーバーしてしまいます。

ついでに、各自治体で実施しているサンプリング調査は目が粗過ぎます(十分なサンプル数ではない)。例えば、茨城県は「放射能汚染野菜のサンプルは毎回同一の圃場から提供され ているものではなく、天候や風向き等の影響により、汚染度合いが異なっているものと思われる。」と回答していて、暫定規制値を超過した食材が市場に流通している可能性を完全に否定することはできないことが分かっています。実際、公表されているデータをみると、同一の市(町)で産出した食材の汚染レベルがけっこう異なっていることが推察されます(放射性物質の減少傾向に一貫性がない)。

また、低線量被曝に関する知見は十分に蓄積されているとは言いがたいです。その証拠に専門家の間でも意見が分かれているという現実があります(理論が十分に成熟していれば、そんなことはあり得ない)。

放射能汚染の問題はブラックスワン(ナイトの不確実性)の領域にある


ということを認識してボクたちは放射能汚染時代を生きていかなければならないのだろうと思います。

2011年5月29日日曜日

放射能の真実 2

原発事故以降、放射能汚染がボクたちにどんな影響をもたらすんだろうっていろいろ考えていたんですが、ある程度スッキリしたのでメモしてみます。

要は、どれだけ被曝するの?ってことです。で、ボクたちが考えなければ行けない被曝は、

(1) 大気中の放射線による外部被曝
(2) 大気中に浮遊している放射性物質の呼吸からの吸引による内部被曝
(3) 食品に含有•付着する放射性物質の経口摂取による内部被曝

と思います。で、放射能に関する暫定基準値ってどうなの?って思って、微妙なやる気でWeb上をサーチしてたら、個人的に有益と思えるサイトを発見したのでメモしてみます↓

(1) 大気中の放射線による外部被曝
流山在住のボクは東大柏キャンパスの測定値(http://www2.u-tokyo.ac.jp/erc/index.html)を参考にするけど、その場合、1日24時間ずっと外で過ごしたとして、ざっくり2〜4 mSv/yearの被曝量でしょうか?

(2) 大気中に浮遊している放射性物質の呼吸からの吸引による内部被曝
こんなサイトがありました↓
予測被ばく量の計算2 外部被ばくと呼吸による内部被ばく

計算方法は

呼吸吸引による内部被曝=核種濃度(Bq/m3)×線量換算係数(μSv/Bq)×呼吸率(m3/日)×日数

を各種毎に計算し、合算して算出。ちなみにこのサイトによると、データの揃っているつくばエリアの放射性吸引による被曝量は、3月15日からの1年で42.6μSvと予想されてます。

あと、最近のつくば市内の保育所•幼稚園•小中学校の線量は↓
http://www.city.tsukuba.ibaraki.jp/dbps_data/_material_/localhost/kan003/houshasenn.pdf

(3) 食品に含有•付着する放射性物質の経口摂取による内部被曝
次の3つのサイトが有益と思います↓
a) 基準値の根拠を追う:放射性ヨウ素の暫定規制値のケース (産業技術総合研究所 安全科学研究部門)
b) 基準値の根拠を追う:放射性セシウムの暫定規制値のケース (産業技術総合研究所 安全科学研究部門)
c) 食品の放射性物質の暫定基準値はどうやって決まったか (勝川俊雄 公式サイト)

で、これらのサイトから次のことが分かります。

a) 「1年間摂取し続けた場合の値」ではなくて、「1回のイベントで汚染された食品をその後摂取し続けた場合」の値で、半減期に応じて汚染がどんどん減り続けることが前提→半減期の短い放射性ヨウ素は注意が必要

b) 各種毎の許容限度を次のように設定している
radioactive I/ 2 mSv/year (甲状腺等価線量/ 50 mSv/year)
radioactive Cs and Sr/ 5 mSv/year
radioactive U/ 5 mSv/year
radioactive Pu/ 5 mSv/year

c) 流通過程で2倍に希釈されるとしている→例えば、全て放射性Cs: 500 Bq/kg食材を1年間食べ続けるとざっくり10 mSv被曝する。


マックス17 mSv/yearまで被曝してもオッケーっていうのは衝撃ですが、UやPuが食材に猛烈に混入していることはないと思うので、実質的には、IとCs(+Sr)による内部被曝に気をつければいいのかなって思います。現実問題として、規制値マックスの食材ばかりを継続的に摂取し続けることは可能性が低いので、まあ5 mSv/year程度の被曝は覚悟しておいた方がいいのかなっていう気がします。

以上、これらの数値をみた流山在住のボクの独断と偏見に基づく結論は、こんな感じ↓

•外部被曝はそんなに気にしなくてもいいだろう
•大気中に浮遊している放射性物質の呼吸からの吸引による内部被曝は、大気中の放射線による外部被曝に比べて大分小さい
•食品の経口摂取に伴う内部被曝は、5 mSv/year以内には収まるかな(中高年はそんなにセンシティブにならなくてもいいけど、子供は心配)
•経口摂取した90Sr (半減期/ 28.9年)による子供の被曝が心配(Srの生物学的半減期/ ca. 50年)

現状がこれ以上悪化しないなら、大人はそれほど神経質にならなくてもいいかも知れないけど、子供は心配ってところでしょうか?

万全を期して、学校給食には西日本産の食材を使って欲しいものです。あと、当然だけど、汚染食材を積極的に摂取することはないよね。っていうか、生鮮食品系は特にできるだけ西の食材を食べてます(昨年収穫した米とかは別だけど)。

2011年5月28日土曜日

放射能の真実

低線量被曝に対する幾つかの機関の見解をまとめてみました↓(随時、追加予定)

日本原子力研究開発機構
a) 現時点では、「人間は総線量100 mSv以下の放射線をあびてもまったく健康影響が現 れない」というのが結論
b) 食品の暫定基準値は「放射性ヨウ素はca. 33 mSv/year、他の放射性物質は5 mSv/yearまでなら摂取しても安全」と判断し決められている
http://www.jaea.go.jp/jishin/qa/qa01.pdf

日本産婦人科医会 (2011.4)
矛盾してると思うんですけど↓
a) 人間が、放射線を浴びてもまったく健康影響が現れない放射線量は、総線量100mSv以下である。
b) 晩発障害にはしきい値はないと考えられている
http://www.jaog.or.jp/News/2011/sinsai/kensyu_0427.pdf

National Academy of Sciences (2005.06)
a) 5年間で100 mSvの被曝→約1%の人が放射線に起因する癌になる 
b)「被曝には、これ以下なら安全」と言える量はない
c) 否定→「一定量までなら害はない」、「極低線量の被ばくは免疫を強め、健康のためになる」
http://www.47news.jp/CN/200506/CN2005063001003768.html

ICRP
Low-dose Extrapolation of Radiation-related Cancer Risk (ICRP Publication 99) Ann. ICRP 35 (4), 2005.
The report concludes that while existence of a low-dose threshold does not seem to be unlikely for radiation-related cancers of certain tissues, the evidence does not favour the existence of a universal threshold. The LNT hypothesis, combined with an uncertain DDREF for extrapolation from high doses, remains a prudent basis for radiation protection at low doses and low dose rates.
http://www.icrp.org/publication.asp?id=ICRP%20Publication%2099

放射線科学センター
ガンや遺伝的影響は非常に低い被ばく線量からその障害がおきる可能性がある
http://rcwww.kek.jp/kurasi/page-55.pdf

ECRR (2011.3.30)
要は、福島原発の半径200km内で、今後10年で20万人が、50年で42万人が癌になる↓
1. The ECRR risk model has been applied to the 3 million people living in the 100km radius of the Fukushima catastrophe. Assuming these people remain living there for one year the number of excess cancers predicted by the method is approximately 200,000 in the next 50 years with 100,000 being diagnosed in the next 10 years. If they are evacuated immediately, the number will fall by a significant amount. For those 7 million living between 100km and 200km from the site, the predicted number of cancers is slightly greater with 220,000 extra cancers in the next 50 years and about 100,000 being expressed in the next ten years. These predictions are based on the ECRR risk model and also the findings of cancer risk on Sweden after the Chernobyl accident.
2. The ICRP model predicts 2838 extra cancers in the 100km population. The eventual yield will therefore be another test of the two risk models.
http://llrc.org/fukushima/subtopic/fukushimariskcalc.pdf

ドイツ放射線防護協会 (2011.3.20)
乳児、子ども、青少年に対しては、4 Bq/kg以上の137Csを含む飲食物を与え ないよう推奨されるべきである。成人は、8 Bq/kg以上の137Csを含む飲食物を摂取しないことが推奨される。

http://icbuw-hiroshima.org/wp-content/uploads/2011/04/322838a309529f3382702b3a6c5441a31.pdf
(正直、これはちょと厳しすぎるという印象を受けます。線量係数も高めな気がした)

北海道大学CoSTEP (2011.4)
確率的影響の場合に閾値があるかどうかについては、じつは研究者の間でも意見の違いがあります。また研究者の中には、「ごく少量の放射線ならば、むしろ有益なのではないか」(ホルムシス説)という人たちもいます。でも ICRP(次節を参照)は、少なくとも現在は、閾値はないという立場をとり、ホルムシス説も否定しています。
http://costep.hucc.hokudai.ac.jp/costep/news/article/121/

淡い期待は、期待で終わる

Science Media Centre of Japanに岡山大の津田先生が書かれた内部被曝に関する記事がありました(see http://smc-japan.org/?p=1310)。特にボクの印象に残った部分を以下に抜粋します↓

<引用開始>
Q. このままの状態が続けば、あるいはさらに状況が悪くなれば、将来、関東一円ではがんになる人が増えるなどの長期的な影響が予想されますが、そうした人々の健康を国が補償していくことはできるのでしょうか?(がんになっても、因果関係が認められないのではないでしょうか)


 どの程度発症するかは放射線量によります。観察可能な線量になるかどうか(わずかな量では影響は測れません)、あるいは観察しようとするかどうかです。以上の条件が全てクリアーされた時にようやく因果関係が推定可能になります。このような、国が実際観察をしようとする(できる)レベルというは相当な被曝量です。例えば100 mSv以上の単位で相当数の方が被爆するような状況でしょう。そんなときには中心地では急性障害で亡くなる人も出ているでしょう。ただ、これまで国は実際に観察が行われた多くの事例(例えば尼崎のアスベスト)で、推定可能ではっきりと因果関係が認められる場合でも因果関係を認めません。このようなことを踏まえて、因果関係が認められて補償問題を議論できるようになると思われますか?


 上記の幾つかの条件はどう見てもクリアーしなさそうですので、人々の健康を国が補償するという話には至らないでしょう。
<引用終了>

要は、自分の身は自分で守らなければいけないってことと思います。はっきり言って、行政に過度の期待を抱かない方が無難でしょう。

ついでに、年金等の社会保障制度とか(地方)医療制度なんて崩壊必死じゃないですか(そもそも年金制度はその構造に致命的な欠陥をはらんでるとボクは思ってます)。社会保障制度も放射能汚染も、残念だけどしわ寄せは若年層にきますよ(ボク=36歳は将来の公的年金には全く期待してない)。

2011年5月27日金曜日

無謬性との戦い

最近、各自治体で独自に空間線量を測定•公表する動きが目立つようになってきたみたいですね。汚染マップを作成するという点に関しては意味があると思いますが、ボクは市民(特に子供)の健康被害対策に関してはあまり期待できないと考えています。

空間線量計りました

20 mSv/year未満です

国の規制値以下です

よって問題無し

みないな感じになるのがオチと思います。

ついでに、癌等の放射線由来の疾患が増えても「因果関係が証明できない」で終わりになりそうな気持ちでいっぱいです。

日本の停滞は、中央官庁がその無謬性を存分に発揮した結果とボクは思います。批判する人はいたけど、彼らはセーフティー•ゾーンに守られ、結局、事態は改善されななかった。唯一、小泉内閣では改革の兆しが見えたが、続く内閣でその流れは潰えてしまった。それくらい「無謬性」は強力と思います。

国は「20 mSv/year」という数値を基準として一旦打ち出しました。これを覆すことができなければ何も前に進まないでしょう。

とりあえず、来週くらいから流山市役所環境部環境政策課をターゲッティングしてみようと思います。
(ちなみに、ボクは流山市の空間線量の測定にはあまりこだわっていません)

2011年5月26日木曜日

市役所の真実 2

教育長からの「市場で流通している食材は安全であるので学校給食を実施する」という手紙に端を発して、市と数度に渡ってメールでやりとりしてきましたが(see http://nagareyama-chem.blogspot.com/2011/05/blog-post_21.html)。先日最後の質問に対する回答が返ってきたのでメモしてみます↓

Question 6 (学校給食で使う野菜等の納品時に産地の確認などを行っているということだが)納品時に産地の確認を行っているということか?単に産地を確認するだけで、産地の峻別は行っていないのか?また、産地の選別を行っている場合、具体的な選別法を教えて欲しい。

Answer 6 出荷停止中の農産物等が納品されることの無いよう確認を行っているもので、産地の選別を行っているものではない(出荷停止されていないものは安全だから)。

だそうです。

やる気無さすぎ


「官僚の無謬性」(官僚(組織)は、自分達がこれまでに行ってきたことは全て正しいと考え、自己否定することは皆無であるとうこと)という言葉がありますが、これは地方行政の末端まで徹底されているようですね。しかも、市役所などの格の低い地方公務員は中央や県の言いなりで、その裁断に疑問を持つことも許されないようです。

とりあえず、ぼちぼち千葉県もターゲッティングしていこうと思います。

2011年5月22日日曜日

流山の議員 (4):市議たちの牛歩のような歩み

流山の市議の方でウェブサイトやブログを開設したり、twitterをやってる方がそこそこいます。で、そういった市議の方たちのウェブ上での動きを観察していると、彼らは放射能汚染問題には相当興味ないんだなっていう空気が果てしなく伝わってきます。

まあ、ボクのサーチ能力が低くて、そんなことは全然ないんだよというのであればいいのですが、現実を鑑みると杞憂とは思えません。

例えば↓

市内における放射線の空間線量測定の要望に関することなんだけど、これって市議の歩みは鈍牛のように遅いということを例証していますね


市長が重い腰をやっとあげて5/17に県に要望出したのを追認してからの要望書提出で、一市民として力が抜けてくるようです。

あと、市が提出した要望書や市議の方々のtweetをみると、空間線量の測定には言及しているようですが、汚染食材を摂取することによる内部被曝に関することについては皆無にみえるんですが、ひょっとして、食材の放射能汚染については言及ナッシングですか?子供の内部被曝が超絶コワいんですけどorz.....

ボクは井崎市長の著作を読んで、流山の市政にけっこう期待してたんだけど、市の職員の対応を見る限り、残念だけど流山の市政は危機や非常事態に対して極めて脆弱だとしかいいようがないです。

あと、ボクが確認できた市議たちの放射線関連tweet↓

一市民のボクだって、4月頭から北千葉広域水道企業団 、東京水道局、流山市、茨城県にしつこくメール送って問い合わせしてるっていうのに、市議たちはとろすぎるぜ。確信犯か抽象的思考能力が低いとしか思えません。でも、まだこういうアクションしてる人たちはまだましだとは思うけどね、たとえ、どこかの国の無能な総理が好きなパフォーマンスだったとしても。あと、(一番まともそうな)藤井市議(民主党は大嫌いだけど)には自己学習した成果を発表して欲しいものです。

っていうか、放射性物質による汚染で一番重要なのは、濃度が高いときの初期対応じゃないの?事故から2ヶ月以上経過してから、やっと空間線量測定の要望ですか?流山の空間線量が高そうなことなんて、東大柏キャンパスの計測値みてとっくの昔に予測できましたよ。

っていうか、今一番問題にしなきゃいけないのは、小さい子供の内部被曝を極小化することじゃね?

ボク的には、汚染食材を給食の卓にあげないこと(当然、暫定規制値クリアでオッケーなんてだめ。だってその数値が安全に足ることを例証する人体実験データなんてないから。もしあったら教えてください)。それから、校庭(園庭)の安全の担保。市の公園でのお砂場の閉鎖とかが重要と思います。

放射線の影響が一番大きい子供たちは自分の意思で選択することはできない。そのことを考えれば、大人たちがとるべき行動は決まってると思ってたんだけど、どうやらボクの考えと世間のマジョリティーの考えには大きな隔たりがあるようです。

2011年5月21日土曜日

流山の議員 (3):さもしい議員

この人、究極にやる気ないな↓


あと、市議会議員のボーナス報酬入ると嬉しんだな。まあ、人間だから心の中でそう思うのはいんだけど、それをtweetしちゃうセンスって市議会議員としてどうかと思うよ。だって、あんたがもらって嬉しいボーナスの出所って税金なんだからさ。

市役所の真実

この間書いたブログの続きです。
流山市(教育委員会学校教育課)に学校給食のことで、再々度しつこく質問メールを送ったら、やっと少しはまともな回答を得ることができました。で、その結果がコレです↓

Question 1 各自治体が農産物の全量(畑毎に)検査を実施して安全を確認していることを市では確認しているか?万が一確認していないならば、局在化の影響を認識しているが、無視しているということか?
茨城県に問い合わせたところ、「放射能汚染野菜のサンプルは毎回同一の圃場から提供され ているものではなく、天候や風向き等の影響により、汚染度合いが異なっているものと思われる。」という回答を得、暫定規制値を超過した食材が市場に流通している可能性を完全に否定することはできないことが分かっている。
Answer 1自治体が全量検査をしているということは承知していない。。現在の国・県レベルでのサンプリング検査により安全性の確認をしていると認識しています。
要は、国•県といった上部団体の仰せのままにってことね

Question 2 農産物の安全性を担保する科学的な根拠を立証する臨床データ(文献)を教えてください。
Answer 2 学校給食担当では把握していません。
自分たちで考えることを放棄してるってことね

Question 3 米国、シンガポール、過去の日本の禁輸措置等は間違いだと考えていますか?
Answer 3 国は現在の放射線レベルでは健康上の心配はないと説明しており、学校給食の担当が責任をもってお答えすることは困難と受けとめている。
国が勝手にやったことで、俺たち(市)は関係ないってことね

Question 4 もし万が一、放射能が原因で、将来、小児甲状腺がんが多発した場合、責任の所在はどこにあるとお考えですか?
Answer 4 国は現在の放射線レベルでは健康上の心配はないと説明しており、学校給食の担当が責任をもってお答えすることは困難と受けとめている。
俺たち(市)は関係ないってことね


それから、前回の回答文で、各学校では、野菜の産地確認を行うなど、安全確保にも努めているっていう文面が書いてあったから

Question 5 給食センターではなく、学校が確認しているのか?
Answer 5 流山市は給食センター方式ではなく各学校で給食を調理している

Question 6 「各学校では、野菜の産地確認を行うなど、安全確保にも努めている」ということだが、具体的に何をどのように確認しているのか?

ていう質問をプラスしたら、

Answer 6 野菜等の納品時に産地の確認などを行っている。
ひょっとして確認してるだけか?公表しないのか?

だそうです。

それにつけても、想像してた通りすぎて恐ろしいな。市の仕事って上意下達の無責任ルーティンワークだってことがよく分かりました。

とりあえず、「Answer 6 野菜等の納品時に産地の確認などを行っている。」っていうのが気になったので、

Question 6 納品時に産地の確認を行っているということか?単に産地を確認するだけで、産地の峻別は行っていないのか?また、産地の選別を行っている場合、具体的な選別法を教えて欲しい。

という質問メールをしつこく送信してみました。納得するまで何度でもしつこくいくよ。だって、少しでもはぐらかしてやろうとしか思えない回答ばかりするんだから。

つづく.....

2011年5月14日土曜日

この魚問題につき

a) 公魚(Hypomesus nipponensis)/ 北塩原村檜原湖/ 2011.5.10/ radioactive Cs: 870 Bq/kg
b) 鮎(Plecoglossus altivelis altivelis)/ いわき市鮫川/ 2011.5.8/ radioactive Cs: 720 Bq/kg
c) 白子(Whitebait)/ いわき市勿来沖/ 2011.5/ radioactive Cs: 850 Bq/kg
ref. http://t.co/jfWhhM9

放射性物質の局在化

←もう1ヶ月以上前の情報だけど、こんな記事がありました。

茨城県産のミズナの放射能の汚染度に関する記事です。時系列がやや不鮮明ですが、この記事から放射性物質の拡散度合いの局在化が示唆されると思います。既に茨城県は「サンプルは毎回同一の圃場から提供されているものではない。天候や風向き等の影響により、汚染度合いが異なっているものと思われる。」という見解を示しており、「暫定規制値を超過した食材が市場に流通している可能性を完全に否定することはできない。」ということを明らかにしていますが(see http://researcher-station.blogspot.com/2011/05/earthquake-2011-9.html)、その証左となる事例です。

まとめるとこんな感じ↓

茨城県鉾田市産のハウス栽培のミズナの放射性物質濃度
新潟県/ 19, 20日/ radioactive I: nd or < 2,000 Bq/kg/ radioactive Cs: nd or < 500 Bq/kg
東京都/ 19, 20日/ radioactive I: nd or < 2,000 Bq/kg/ radioactive Cs: nd or < 500 Bq/kg
茨城県/ 20日/ radioactive I: < 2,000 Bq/kg/ radioactive Cs: < 500 Bq/kg
京都市/ 22日/ radioactive I: 3,400 Bq/kg/ radioactive Cs: 560 Bq/kg
茨城県?/ 24日/ radioactive I: 1,200 Bq/kg(max)/ radioactive Cs: 289 Bq/kg(max)
http://t.co/mE7N8rM

流山の放射能汚染

北海道大学のCoSTEP(科学技術コミュニケーション教育研究部門)が「もっとわかる 放射能・放射線」という電子書籍(PDF)を無料公開しています(http://costep.hucc.hokudai.ac.jp/costep/news/article/121/)。

この本によるとICRP(国際放射線防護委員会)の勧告に基づき、一般の人の線量限度は、1年あたり1 mSvと決まっているそうです。そして、線量限度には、自然放射線や、医療で受ける放射線などによるものは含まないと言います。そして、実効線量の算出法の事例紹介をしています。それによると、

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茨城県水戸市の2011年4月9日の空間線量率は、最大値で 0.157 μGy/h
空間線量の場合は、Gy=Svとすることがでるきる
仮にこのままの状態がこの先1年間続くとすると、0.157[μSv/時] × 24[時間/日] × 365[日]= 1375.32[μSv]
よって1年間の実効線量は 1.38 mSv (自然放射線の分を含む)

水戸市の原子力発電所の事故が起きる前に空間線量率がおおむね45~50 nGy/h
仮に自然放射線が 45 nGy/h(=45 nSv/h)だとすると、1年分は、45[nSv/時間] × 24[時間/日] × 365[日/年] = 394200 [nSv/年] = ca. 0.39 mSvと

さきの 1.38 mSvから、この 0.39 mSvを差し引くと、1 年あたり0.99 mSv。健康への影響を考えるには、この値と、1年あたり1 mSvという線量限度とを比べることになる。
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だそうです。

また、武田邦彦氏のWeb Siteによると(see http://takedanet.com/2011/04/post_f1fe.html)「線量限度1 mSv/year」の法的根拠は、「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」であると解説されています。

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放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律
第十九条第一項第一号→許可届出使用者及び許可廃棄業者は、放射性同位元素又は放射性同位元素によつて汚染された物を工場又は事業所において廃棄する場合においては、文部科学省令で定める技術上の基準に従つて放射線障害の防止のために必要な措置を講じなければならない。

とあります。そして、
放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行規則

第十九条第一項→許可使用者及び許可廃棄業者に係る法第十九条第一項 の文部科学省令で定める技術上の基準(第三項に係るものを除く。)については、次に定めるところによるほか、第十五条第一項第三号、第四号から第十号まで、第十一号及び第十二号の規定を準用する。この場合において、同項第三号ロ中「放射性同位元素又は放射線発生装置」とあるのは「放射性同位元素等」と、同項第四号から第九号までの規定中「作業室」とあるのは「廃棄作業室」と、同項第十一号中「使用施設又は管理区域」とあるのは「廃棄施設」と読み替えるものとする。

第十九条第一項第二号ハ→第十四条の十一第一項第四号ロ(3)の排気設備において廃棄する場合にあつては、排気中の放射性同位元素の数量及び濃度を監視することにより、事業所等の境界の外における線量を文部科学大臣が定める線量限度以下とすること。

第十九条第一項第五号ハ→第十四条の十一第一項第五号イ(3)の排水設備において廃棄する場合にあつては、排水中の放射性同位元素の数量及び濃度を監視することにより、事業所等の境界の外における線量を文部科学大臣が定める線量限度以下とすること。

放射線を放出する同位元素の数量等を定める件
第十四条4→規則第十九条第一項第二号ハ及び第五号ハに規定する線量限度は、実効線量が四月一日を始期とする一年間につき一ミリシーベルトとする。
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ところで、流山市にほど近い、東京大学柏キャンパスでは、空間γ線量率を測定しています(http://www2.u-tokyo.ac.jp/erc/index.html)。流山市で線量測定を行っていない以上、行政は流山市の近所にあって、平時の空間線量をチェックしている東大柏キャンパスの計測値をもって流山市に対する対応をとるべきとボクは思います。ということで、ざっくり計算してみました↓

柏の葉キャンパスでは敷地内の二カ所(柏(1), 柏(2))で空間線量を測定しています。ちなみに、5月12日の空間線量率は↓

柏(1) 空間線量率(平均)/ 0.39 μSv/h 自然放射線量率/ 0.1-0.2 μSv/h
柏(1) 空間線量率(平均)/ 0.26 μSv/h 自然放射線量率/ 0.05-0.1 μSv/h


自然放射線を控除した空間線量率は↓

柏(1)/ 0.19-0.29 μSv/h
柏(2)/ 0.16-0.21 μSv/h

自然放射線を控除した年間の実効線量は↓

柏(1)/ 1.66-2.54 mSv
柏(2)/ 1.40-1.84 mSv

1 mSv/year超えてるんですけどorz.....

どうする俺たち?

多分、この法律って事業者を対象にしてるんだよな、きっと(今回のケースでは東電)。で、主務省庁は文科省。このレベルで健康云々はよく分からないけど、こういう場合どういった対応をとるのが市のあるべき姿なのかをとりあえず流山市役所環境部環境政策課 (04-7150-6083)に質問してみますか。
(個人的に、放射能汚染食品を摂取することによる内部被曝の方が恐いです)

あと、北大CoSTEPは「確率的影響」に関して閾値否定派です。

2011年5月7日土曜日

流山の役人 (2) 市政に失望しつつあるボクがいる

先日、流山市に質問したんですが、その回答の内容があまりに信じがたいものだったので、再度(しつこく)質問メールを出してみました。
see http://nagareyama-chem.blogspot.com/2011/04/blog-post.html

で、再度回答が返ってきたので、まとめてみます。

まず、ボクの質問
Question 1 各自治体が農産物の全量(畑毎に)検査を実施して安全を確認していることを市では確認しているか?万が一確認していないならば、局在化の影響を認識しているが、無視しているということか?
(ちなみに、茨城県に問い合わせてみたら、「サンプルは毎回同一の圃場から提供されているものではない。また、天候や風向き等の影響により、汚染度合いが異なっているものと思われる。」という回答をいただきました。要するに、要するに、暫定規制値を超過した食材が市場に流通している可能性を完全に否定することはできないってことです)
Question 2 農産物の安全性を担保する科学的な根拠を立証する臨床データ(文献)を教えてください。
Question 3 米国(131I>170 Bq/kgで禁輸)、シンガポール(131I>100 Bq/kgで禁輸)、過去の日本の禁輸措置(radioactive Cs>370 Bq/kgで禁輸)等は間違いだと考えていますか?
Question 4 もし万が一、放射能が原因で、将来、小児甲状腺がんが多発した場合、責任の所在はどこにあるとお考えですか?

流山市教育委員会学校教育課の回答
まとめてAnswer
•市では国や県などの公的機関が発表した放射線の測定値の情報等を注視しながら、各課で連携を図っている。
•給食用の野菜は一般に市場で流通しているものだが、各学校では、野菜の産地確認を行うなど、安全確保にも努めている。(っていうか、給食センターじゃなくて学校が確認するのか?)
•今後も、児童生徒の安心・安全のために、情報収集を適切に行っていく。  

オレの質問に気持ちいいほどひとつも答えてないんですけど.....

はっきり言って、オレも市に多くのことは期待してませんよ。いろいろな制約やパワーバランスもあるだろうし。「こういう制約があるから、実施できない」とか、分からないなら分からないでそう回答してくれれば個人的にはオッケーなんだけど、なんで、のらりくらりとかわすような受け答えをするのかなあ?ただ、誠意ある回答が欲しいだけなのに。地方自治の実力がよーく分かりましたよ。

また、しつこく質問メール送信する予定です。

2011年4月30日土曜日

流山の議員 (2): 小さな市議会 vs. 大きな市議会

先日の市議選で当選した議員のうちで流山市議会議員の定数を24名に削減(昨年の陳情)するのに

賛成した議員
酒井 睦夫 (3位当選, 無所属)
藤井 俊行 (7位当選, 民主党)
西川 せいし (13位当選, 無所属)
松田 浩三 (17位当選, 民主党)
森田 洋一 (落選, 無所属)

今回当選した議員で賛成している議員
森 亮二 (1位当選, 無所属)
菅野 浩孝 (4位当選, みんなの党)

反対した議員
小田桐 仙 (2位当選, 共産党)
秋間 高義 (5位当選, 公明党)
坂巻 忠志 (6位当選, 自民党)
松尾 澄子 (9位当選, 公明党)
山崎 専司 (10位当選, 無所属)
海老原 功一 (11位当選, 自民党)
田中 人実 (12位当選, 公明党)
中川 弘 (15位当選, 自民党)
中村 好夫 (16位, 無所属)
青野 直 (18位当選, 無所属)
宮田 一成 (23位当選, 無所属)
徳増 記代子(25位当選, 共産党)
松野 豊 (26位当選, 無所属)
乾 紳一郎 (28位当選, 共産党)
堀 勇一 (落選, 無所属)

ざっくりとしたボクの感想だけど、自民、公明、共産はお仲間のために議員定数堅守。あと、下位無所属も自分の職を守るため定数削減もってのほかって印象を受けます。

ちなみに、松戸市、柏市の議員定数は人口1万人あたり1人だそうです(see http://www.sakaimutsuo.ne.jp/home/newsH2304.pdf)。一方、流山市に人口は4月1日付けで165,671人で議員定数は28。

議員報酬は797万円、政務調査費は48万円。845万円×無駄な議員分だけ市民のお金が無駄遣いされてるわけだけど、まあ、この調子だとしばらくは定数削減は(残念だけど)夢のまた夢かな。しばらくは、大きな議会とおつきあいしなくてはいけませんね

流山の議員

市長選挙と市議会議員選挙が終わって安寧の日々を送っている管理人です。
だって、投票日が近づくと、朝の通勤ラッシュの混雑している時間帯を狙って、流山おおたかの森駅に、まるで蟻が砂糖を求めるように群がってくる候補者が超絶五月蝿くてウザいですからね

で、候補者が何やってるかっていいうと、「The 挨拶」ですよ。生産性低すぎです。そんなことしてる暇あるなら、ポーター教授の戦略論とかフロリダ教授の都市論のお勉強でもやってて欲しいくらいです。

でも、彼ら(候補者)もある意味かわいそうだよな。普通の市民が議員の活動をトレースするのは難儀だ。人気投票に勝とうと新規顧客(所謂無党派層)を獲得するためには、低姿勢で愛想のいい笑顔を振りまいて好感度をアップさせなかればいけない。かろうじてトレースできるのは市長(市政)の善し悪しくらいだろう(少なくともボクはそうです)。

一有権者としての反省ってわけじゃないけど、市議の生態に興味を覚えたのでこれからちょくちょくサーチしていきたいと思います。

2011年4月29日金曜日

流山の役人

流山に移り住み、早10年超のユウキです。
今日は、流山の役人の所行について書いてみたいと思います。

今月のあたまに、教育長(後田 博美)名義で「市場で流通している食材は安全であるので学校給食を実施する」という内容の手紙が届きました(ボクは小学校に通う子供がいます)。

この手紙をみて、ボクは我が目を疑いましたね。そして、教育長は狂ってるとさえ思いました。

現在の国の暫定規制値は↓
•放射性ヨウ素 (131I)/ 2,000 Bq/kg
•放射性セシウム (134Cs+137Cs)/ 500 Bq/kg

だけど、

a) 我が国では、放射性セシウム (134Cs+137Cs)>370 Bq/kgの食品の輸入を差し止めてきた(see http://www.mhlw.go.jp/houdou/0111/h1108-2.html
b) FDAでは放射性ヨウ素 (131I)>170 Bq/kgの食品の輸入差し止めを提言している(see http://t.asahi.com/1tea)
c) シンガポールの放射性ヨウ素 (131I)の基準値は、100 Bq/kg (see http://t.co/IGD6I1q)
d) モニタリングスポットで観測される放射性物質の拡散状況と各県が公表している農作物の放射性物質による汚染濃度を鑑みると、同地域と思われる場合でも、地形などにより比較的狭い範囲でも、汚染が局在化している可能性がある(ちなみに、流山市も軽くホットスポットのようです)。

っていう現実を鑑みると、市場に流通している食材が全て安全であるという発言は理解に苦しみます。なので、このことについてどのように考えているのかという質問を、学校教育部教育総務課宛にメールで質問してみました。

で数日後、教育委員会学校教育課担当保険給食係から回答メールが届きました。(一応、学校教育部長からの回答です)。

それによると↓
•放射性物質に広がりは、気象条件、地理的な影響などを受けることは承知している。
•流山市では、放射線量を独自に測定してはいないが、国や県からは、科学的な根拠に基づいて健康には影響のないレベルであると判断が示されている。
•「現在市場に出されているものは安全」→「給食実施」(千葉県教育委員会と放射線医学研究所のお墨付き)




っていうこいとは、こういうことですか↓

•汚染の局在化を認識しているから、全量検査を実施している。
•科学的な根拠に基づいているから、その知見の正しさを立証する臨床データが存在する。
•米国、シンガポール、過去の日本の禁輸措置等は間違い。
131Iを2,000 Bq/kg含有する食材は安全だから、小さい子供がバクバク食べても小児甲状腺がんを発症することはない(農産物に関して言えば、これ以上放射性物質が大気中に漏洩することがなければ、クリティカルな影響はでないかもしてないけど、福島第一原子力発電所の近くに住んできなければ)。
•「暫定」でも「安全」

はっきり言って、信じがたいゼ


再度、しつこくメールで質問してみます。

ルールとして児童が2,000 Bq/kg(131I)の食材を恒常的に摂取することが許容されているわけなんですが、ボクはそれを許容できないっていうだけの話なのです。こんなボクの願いはそんなに大それたことなのでしょうか?